「若者ホームレス」たちはどのように育ってきたのか?

養育環境、実家を出た理由

半数が両親に育てられている一方、3人に1人は片親に育てられている。両親の離婚、死別、育児放棄など理由はさまざまだが、養護施設で育った人も6人いた。

実家を出た理由については、半数近くが就職を挙げているものの、4人に1人は家族との関係悪化を理由に挙げている。長いフリーター生活の末、親や家族との確執が強まり、家を出たという人も少なくない。

貧困家庭に育った人が多く、半数以上の人が経済的に不安定な家庭に育ったと答えている。父親の事業がうまくいかなくなり、倒産、破産を経験した人や、生活保護世帯に育った人も。働かず、酔っては暴力を振るう父親から逃れるため、一家で逃亡した人、経済的理由で車の免許が取得できず内定を辞退した人や高校を中退した人もいた。

高い中卒率

学歴は相対的に低く、中卒(含高校中退)の割合が高い。現在、中卒の学歴のみで仕事に就くのは容易でないことからも、社会人になるスタート時点において、非常に不利な状況にあったということができるだろう。学校でのイジメを経験した人が8人ほどいる一方で、野球や体操、サッカーなど、部活に属し、平凡だが楽しい学生時代を送ったという人もかなりの割合でいる。

7割を越える人が家族と連絡が取れない、または取らない状況にある。理由としては「勘当された状態なので家に連絡を取ることはできない」、「借金をしており家族に迷惑がかかるので、帰ることはできない」などが挙げられている。

NPO法人ビッグイシュー基金を応援する
・「若者ホームレス白書」を読む