「若者ホームレス」の8割は正社員経験あり


8割以上が正社員として就職した経験がある。その後、6割近くが「別の可能性を探るため」と仕事を辞めている。一方、会社の倒産やリストラ、派遣切りにあった人や過酷な労働に耐え切れず退職した人、職場の人間関係やイジメが原因で退職した人もいる。

さまざまな理由で正社員を辞めた後、再就職を目指すが、次の仕事は簡単に見つからない。転職を繰り返せば、繰り返すほど、再就職は困難になり、条件も悪くなっていったと考えられる。

半数以上が転職を5回以上経験している。「転職」といっても、正社員の仕事を積みかさね、キャリアアップしていくのとは異なり、製造業派遣や短期バイト等、不安定就労を繰り返していくケースが大半である。職種も仕事内容もバラバラであることが多く、その結果、仕事のスキルを身につけることができない。

解雇、倒産を経験した人が4割をこえることからも、厳しい環境で働いてきた人が多いということができる。職場での人間関係のトラブルがあった人も多い。こうした過酷な労働を経験したことがトラウマとなり、仕事に対する “ポジティブな感情”を持てないという人が少なくない。

2003年、製造業派遣が解禁されたことも、彼らに大きな影響を与えている。

製造業、日雇いなど派遣に登録して働いた経験がある人は33人。そのうち製造業派遣の経験がある人が24人いることからも、2人に1人が製造業派遣で働いた経験があるということになる。

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