路上生活者をアーティストに変える「ホームレスフォント」という取り組み

「ビッグイシュー日本版」268号から、読みどころをピックアップいたします。
 

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最新号の表紙は人気テレビシリーズ『セサミストリート』から、世界的キャラクターである「ビックバード」。スペシャルインタビューも掲載していますので、どうぞ誌面にてご覧ください。

路上生活者をアーティストに変える「ホームレスフォント」という取り組み

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今回紹介するのは国際記事から、「ホームレスフォント」についてです。約3,000人のホームレスの人々が暮らすバルセロナで、地元NPOの「Arrels Foundation」が画期的な取り組みを始めました。

生活困窮の末、バルセロナで物乞いをしていたギレルモさんは、こう語ります。

段ボールに文字を書くのは本当にいやな作業だよ。愛どころか、どんな気持ちも伝えることもできないからね…。

そして、ほとんどの場合、自分がどんなひどい目にあってるかということを訴えているんだ。

そんなホームレスの人々の文字に着目したのが「ホームレスフォント」。彼らが書いた文字をスキャンし、それを個人や企業がマーケティングや出版物、SNSのキャンペーンなどに使うという取り組みです。

ホームレスフォントは一人一人の自由の象徴

ホームレスの人々のフォントの販売収益は、全てホームレス支援財団である「Arrels財団」に寄付されます。ホームレスの人々に宿泊場所や食料、様々な活動プログラムやヘルスケア、衛生設備を無料で提供する活動にあてられています。

これまでに12人のホームレスの人々が9つの創作フォントをライセンス済み、さらに3つのフォントが作成中となっています。
 

HOMELESSFONTS from HOMELESSFONTS on Vimeo.

いたるところで自分のフォントが使われています……オーストラリアの雑誌でも目にしましたし、ロンドンの友人たちも使ってくれています。

テレビや雑誌にも取り上げられたので、街中で声をかけられることもあるんですよ。まるで有名人みたいに!

この活動を行うことで、自らを肯定的に捉えることはもちろん、自分たち一人一人に権利があり、自由があるということを感じることができるようになるわけです。

当然のことながら、人間は一人ひとり違った個性を持っており、それぞれが自由に生きる権利があります。路上にて、ぜひ268号を手に取り「ホームレスフォント」の世界に触れてみてください。
 

最新号では他にも、

・リレーインタビュー:笹野高史さん

・東田直樹さんの連載「自閉症の僕が生きていく風景 対話編」

・特集:平和へー米軍基地のたたみ方

・ホームレス人生相談

などなど、多彩なコンテンツが掲載されています。ぜひ、路上にてお買い求めください!
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