ビッグイシュー・オンライン編集部より:山谷地域でホームレス支援活動に取り組む「山友会」の油井和徳さんから、クラウドファンディングで建立資金を集めた「ホームレスの人々が入れるお墓」の完成報告が届きました。「死後の居場所づくり」という価値ある取り組みのレポート、ぜひご一読ください(プロジェクト報告ページより、一部編集して転載)。


お墓の前で、何を語りかけますか

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お待たせしました!

皆さまのご厚意によって、無事にお墓を建立することが出来ました。

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本当に、本当に、ありがとうございました!!

2月6日には、昨年亡くなったお二人の方のお骨を納骨させて頂きました。

新着情報でお伝えした「やまちゃん」も、ようやくお墓に入ることが出来ました。

やまちゃんのはなし(2015年1月18日 UP)


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おじさん(ホームレス状態や元ホームレスの方など私たちのもとを訪れる方々の愛称)達とも一緒にお参り。

「いいお墓が出来てよかった」

「これでいつでも安心して逝けるよ」

(出来れば長生きしてほしいのですが…)

「近いからいつでもお参りに行けるよ」

と、安堵の表情を見せながら話してくれました。

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お墓をしみじみと見つめ、まるで瞬間が止まったように拝んでいる姿は、亡くなった方々に何かゆっくりと語りかけているようでした。

皆、どんな想いで、どんなことを語り掛けてくれていたのでしょう-

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帰り道の皆で和気藹々としつつも穏やかな後姿は、不思議と生き生きとしているようにも見え、死後も大切な誰かとつながっていられることが生きる希望にもなりえることを改めて実感しました。

こうして彼らに、死後も誰かとつながっていられるという安心を届けられたのは、ひとえに皆様のご支援と多くの方々のご協力によるものです。

このプロジェクトを実施していく中で、多くの方々から頂いたご声援のひとつひとつに励まされてきました。

そして、そのご声援は、孤独さを抱えるホームレス状態にある方々にも「つながりを紡いでほしい」という想いを託されていることと思い、取り組みを続けてきました。

そうした、ご支援・ご共感頂いた皆さまとの「つながり」も、このプロジェクトが運んでくれた宝物だと思っています。

また、彼らと同じように死後、無縁となってしまうことへの不安を抱えた方々やそうした方々をご支援されている方々と問題意識を共有することができたことは、このプロジェクトがさらに大切な意義や可能性を持つということを感じました。

そして、最後になりましたが、この成功は、プロジェクトを協働してきた光照院 副住職 吉水さんはじめ関係者の方々、実際にプロジェクトの運営を担ってくれた山友会ソーシャルメディアプロジェクトチームのボランティアの皆さんのご協力なくしてはなし得なかったことです。

ともにこの喜びを共有し、より強い信頼関係を築けたことを嬉しく思い、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。


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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。