こんにちは、ビッグイシュー・オンライン編集部のイケダです。現在路上で発売中の227号から、これは!と思った読みどころをピックアップします。
スケボーで社会を変える!
(SKATISTANウェブサイトより)
227号の特集は「原発閉鎖をチャンスに—原発地元の未来」。脱原発を決断したドイツの事例、住民投票で原発を閉鎖したアメリカのランチョ・セコ原発の事例、福島の原発労働についての取材などなど、問題意識あふれる骨太な記事が掲載されています。
誌面のなかで特にビビっと来たのは、6Pで紹介されているNPO「スケーティスタン(SKATISTAN)」の取り組みについて。「スケーティスタン」はアフガニスタンでスケートボード(スケボー)を用いた教育プログラムを展開するNPOです。
アフガニスタンでは15〜24歳の若者の識字率が、男子で49%、女子はわずか18%。「スケーティスタン」では1時間スケートボードをして、1時間勉強する。授業は絵絵画やパペットショー、動物園への遠足なども組み込んで、楽しく総合的に学べる工夫がされており、これまでに103人が公立小学校の第3、第4学年への編入を果たした——。
活動を率いるのはオーストラリア出身のスケートボーダー、オリヴァー・パーコヴィッチ氏。彼はアフガニスタンを訪れ、支援の現場で「若者」が見過ごされていることに気づき、行動をはじめます。
NPO「スケーティスタン」は、いかにも草の根運動らしい方法でスタートした。最初は、僕と二人のアフガニスタン人の友人だけ。僕自身が子どもの頃にスケートボードを始めて気づいたのは、街のどこにいて、どんなに格差があろうとも、スケートボードをしている者は、出身なんて気にしないということだ。大事なのは、何を目指しているかなんだ。
アフガニスタンではまったく新しいスポーツだったスケートボードは、幅広い階級の人々を巻き込むことに成功します。
「スケーティスタン」には、貧しい子どもだけではなく、政府高官の子女や中流家庭の子たちもやって来る。彼らがストリートチルドレンと交わるのはすごく重要だ。おそらく、将来この国のリーダーになる子たちだから。「スケーティスタン」では。みんなが平等。どんな経歴で、どんな過程の出身かは全然問題じゃないんだ。
関連リンク
・Skateistan | Skateboard NGO for children in Afghanistan, Cambodia
・スケーティスタン: To Live and Skate Kabul – YouTube
「スポーツによる社会変革」というテーマに関しては、ビッグイシューも「ホームレス・ワールドカップ」という取り組みに参加しています。「ホームレス・ワールドカップ」はその名の通り、ホームレスの方々を主役とする世界的なサッカー大会。詳しくは「「ホームレスワールドカップ」の精神」をぜひご覧下さい。