グローバルプラットフォームで被災地の子どもが声を発信:世界の防災への提言づくりワークショップ開催

(2013年5月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 214号より)

グローバルプラットフォームで 被災地の子どもが声を発信

今年5月にスイスのジュネーブで開催される、国際会議「第4回グローバルプラットフォーム」に、東日本大震災で震災を経験した子どもたちが日本の子ども代表として参加することになった。この会議には、国連加盟国や国際機関、NGOなどが参加する。

この準備のため、3月31日から1泊2日の日程で、岩手、宮城、福島各県の中高生たちが意見をまとめるワークショップ「世界の防災に向けて、私たちが伝えたいこと!」が仙台市の茂庭荘で開かれた。主催は国際子ども支援団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)」。

参加した中高生は32人で、初めて会う人がほとんど。最初の自己紹介ではやや緊張した面持ちだった参加者も、グループに分かれて資料を読み込んだあと、付せんを使って、どのような課題に絞って提言していくかを議論した。意見を重ねるうちに打ち解けて、会場は和やかな雰囲気に。最終日の2日目は、お互いの意見を聞き、アドバイスし合いながら、グループごとに意見をまとめた。

この中では、「子どもの意見も聞いて、これからに生かしてください。子どもだからって言わないでください」「子どもたち自身の手で未来へのまちづくりをするための環境を整えてください」「情報の公開をしてください」「すべての子どもが平等に保養に行ける機会をつくってください」「離れ離れになった友達と再会できる機会をつくってください」「子どもが主体で地域と一緒にハザードマップ作成/避難訓練をしたい」など、合計で11ページにのぼるほど、さまざまな意見が出された。

宮城県の村上日奈子さん(中学3年)の学校は津波の被害を受けた。「支援してくれているカナダの人とメールのやり取りをしていますが、日本のことを気遣ってくれています。心配してくれている世界中の人に、防災に向けた提言を発信したい」。

福島県の能登太一君(中学2年)も「みんなと話し合ううちに、支援してくれた人への感謝の気持ちが大切だということに気づかされました」。

2月に国連事務総長特別代表(防災担当)のマルガレータ・ワルストローム氏に提言書を提出した一人、福島県の本田歩さん(高校2年)は「参加したみんなが前向きで、地元のことを考えて大人以上に行動したいと考えているのがわかりました。充実した体験になりました」と話してくれた。

(文:藍原寛子)