福島の高校生が「忘れな草」育て、首都圏の人々へ届ける

(2014年3月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 234号より)

福島の高校生が「忘れな草」育て、首都圏の人々へ届ける

忘れな草 贈呈式写真1

震災から丸3年。「忘れな草」とともに、被災地の現状を忘れないでほしいと、福島県の磐城農業高校(いわき市)と、相馬農業高校(南相馬市)の生徒が育てた「忘れな草」を首都圏の人々にプレゼントする、「被災地を忘れない」というイベントが3月8日から都内で開催される。一般社団法人ほのぼの運動協議会(大河原毅理事長/東京都)の主催だ。 <

p>それに先立って、バレンタインデーの2月14日、苗を育てた磐城農業高校の生徒が協議会の作間由美子さん(副理事長/福島県伊達市出身)に忘れな草を贈呈した。

同校は震災後からプレハブの仮校舎で授業をしており、震災前6棟だった温室も4棟になった。この日の贈呈式の1週間前には豪雪で温室1棟が倒壊したが、2年生の小野梓さん、幕内奏美さん、小針梓さん、杉本望生さんを中心とした生徒たちはあきらめずに取り組んだ。

贈呈式で、小野さんら4人は「忘れな草の苗は本当にかわいい。育っていくのを見るのがうれしかった」と感想を述べた。農場長で教諭の坂井聖治さんは「私たちには越えなければならないことがたくさんありますが、こうして東京の方々と一緒に何かすること、これこそが絆になります。プロジェクトに参加できてよかったです」とあいさつ。担当教諭の太田理恵子さんは「生徒たちにとっても震災を振り返るきっかけになりました」と話した。

作間さんは「大変な環境のなかで、愛情をもって忘れな草を育てていただいたことに、ただただ感謝です。忘れな草は小さな花ですが、みなさんの思いや優しさが伝わり、多くの人に喜びを与える花になるでしょう」と謝辞を述べた。

忘れな草に、宮城県南三陸町で磨いたホタテ貝の貝がらとメッセージを添えて、3月8、9日の両日、午前11時から午後3時まで、東京都中央区銀座のKAORUKOフローリスト銀座前、同16日は午前10時から午後5時までの予定で、代々木公園での「アイ・ラブ・アイルランド・フェスティバル」のブースで配布する。

(文と写真 藍原寛子)