遊休公共スペースと聞くと、何を思い浮かべるだろうか。
ぱっと思い浮かぶのが「廃校」という方も多いだろう。

少子化による児童数減少で、毎年500近くの学校が廃校になる昨今。 (※)
平成14年度から平成27年度に発生した廃校の数は6,811校、うち1割以上は取り壊され、施設が現存している廃校の数は5,943校。
そのうち、地域の体育館や公民館、老人ホーム、保育所、工場やオフィスなどに転用される例は7割ほど。


オンライン編集部が2018年6月に取材した西粟倉の廃校も、壁を桜色のペンキで塗り直し、オフィスに転用されていた。

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ここには地域で起業するベンチャーがオフィス入居しており、

カフェ・食堂のほか、 こだわり日本酒の販売、 帽子屋、
草木染め、

体育館を利用したうなぎの養殖、
長田
それらの事業を手伝う障害者の方々作業所など、わくわく・いきいきと活動する地域の人が集う場所となっている。

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都心の方だと、「廃校の利用」というと四谷の東京おもちゃ美術館などを思い浮かべるかもしれない。

こちらは会議スペースも併設しており、平日休日問わず老若男女で賑わう。

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ビッグイシュー基金の医療相談会などでよく利用させてもらっている 撮影:岡原功祐

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しかし、現存する廃校の3割が「地域等からの要望がない」などの理由で特に活用されていない。何をするにも場所を使うだけで料金が取られる世知辛い世の中なのに、「勿体ない」話ではないだろうか。

(※)文部科学省の平成29年1月12日発表「廃校施設活用状況実態調査」より

安くはない税金やインフラを有効活用するためにも、遊休公共スペースをどんどん活用していきたい。

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学校以外にも公園や道路、旧庁舎、空き地、など様々な「遊休公共スペース」が全国各地に眠っている。

2018年10月15日発売の『ビッグイシュー日本版』345号の特集“みんなで使おう!「遊休公共スペース」”は、廃校以外に「こんなところが!」という遊休公共スペースを人々が集う場所にアップデートした事例を紹介。

ウェブサイト「公共R不動産」は、遊休化した公共空間の情報を全国から集め、借りたい、 使いたい、買いたい企業や市民とマッチングする活動をしている。

そのなかのひとつ、静岡県沼津市で運動公園内の青少年研修施設を老朽化のため廃止することになったケースでは、「泊まれる公園」として施設をリノベ、森の中に吊りテントを設けたところ、予約がなかなか取れない人気施設に生まれ変わった。



立川市では、庁舎の移転に伴い旧第二庁舎をリニューアル。4万冊の蔵書を誇る『立川まんがぱーく』が入居し、老若男女が集う人気スペースに。

また、税金で建てられた施設だけでなく、「使われていない壁」を活かした例として河川敷などで映画鑑賞会を開く「ねぶくろシネマ」。

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写真提供:ねぶくろシネマ

その他、高架下の空間をオープンスペースにし、夜にはナイトマーケットになる「下北沢ケージ」の試みも。

あなたも仲間を集め、「遊休公共スペース」を使ってみてはどうだろうか。

345号ではそのほかにも、

・スペシャル企画:ボブ・ディラン
・リレーインタビュー。私の分岐点:イラストレーター 南 伸坊さん
・国際:高齢者に外国語教育!? 認知症の進行を遅らせる、社会的企業の挑戦
・スペシャルインタビュー:浜矩子さん
・ホームレス人生相談 × 枝元なほみの悩みに効く料理:50代会社員男性の方からの「ホームレス状態の人にできることありますか?」
など、盛りだくさんです。
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ぜひ、路上にてお買い求めください。

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『ビッグイシュー日本版』の「公共スペース」を活かす関連バックナンバー

241号特集:増殖するシェア

https://www.bigissue.jp/backnumber/241/

334号特集:動く小屋
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https://www.bigissue.jp/backnumber/334/

343号特集:セルフマーケットの始め方
343
https://www.bigissue.jp/backnumber/343/






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