さっそくですが、あなたは以下の質問にいくつチェックがつきますか?
(1)子どもとはよく雑談をする
(2)人間いろいろだと思っている
(3)LGBTという言葉の意味をおおむね知っている
(4)「ホモ」「オネエ」「そっち系」などの言葉で笑いをとっていない
(5)「大人になったら結婚するものだ」という前提で話をして¬いない
(6)「男(女)なんだから○○だ」という押しつけをしていない
(7)同性愛と性同一性障害の違いを説明できる
(8)LGBTだとカミングアウトしている有名人を5人以上あげられる
(9)LGBTの知人・友人がいる
(10)LGBTの子どもにカミングアウトされたことがある※本書P.6-7より引用
“「LGBT」ということばを耳にするようになったけど、実のところよくわかっていない”
“子どもから打ち明けられたらなんて答えたらいいのかイメージがもてない”
そんなことを感じている先生や親のみなさんにおすすめの1冊を紹介します。
この本は、こどもと接する大人たちに、LGBTなどの「性の多様性」を知ってもらう入門書。著者の遠藤まめたさんは、トランスジェンダーの当事者として10代後半からLGBTの子どもや若者支援など多くの現場で活動してきました。
LGBTの当事者である子どもたちや、その周りにいる大人たちから寄せられたリアルな疑問や悩みごとにこたえる形で、解説や具体的で丁寧なアドバイスが書かれています。
LGBTの子どもたちが何に悩み、どんなことを不安に感じているのか、一緒に感じながら読み進めていけるはずです。
たとえば、健康診断や修学旅行のような、学校生活の中ではほぼ必ずやってくるできごとも、LGBTの子どもたちにとっては1週間も前から頭を悩ませるできごとになる、ということを具体的に思い描けるように。
その先で、「うちの学校ではこんな風にしてみよう」「うちの子は悩んでいないかな」と考えたり、他の人たちと話してみたりする機会も作れるのではないでしょうか。
ところどころに挿入されたコラムも充実しています。
「性の多様性に関する題材を取り上げた授業」のページでは、理科や社会といった教科ごとに、「性の多様性」について、授業でどんな風に触れることができるかというヒントも提示されています。学校の場でもさまざまな工夫ができることが感じられました。
20ページ以上におよぶ巻末の「資料」も要チェック。
LGBTの団体や相談機関だけでも21、家族向けの団体や電話相談先も含めれば30以上の団体・機関が載っています。書籍や映画の情報もあり、いざというときに頼れるページです。
ちなみに、冒頭のチェックリストは「LGBTフレンドリーリスト」。私は7つでした。
このチェックリストを読み進めていくうちにどきっとした人もいますよね。
チェックリストの解説も、資料ページに載っていますので、ぜひそちらも読んでみてくださいね。
学校だったら職員室、保健室や図書室に、家庭だったら気軽に手にとれるリビングに、ぜひ置いてほしい1冊です。読んだ大人が今日から役に立てることができるだけでなく、この本がそこにあることでほっとする子どもたちが、あなたのそばにもきっといるはずです。