「どのくらいスウェーデン人らしくなれば買ってくれますか?」-迫害される少数民族ロマの女性販売者が動画で訴え

メイクアップのBefore/After動画はYouTubeの人気ジャンルのひとつですが、ロマである21歳の女性が、スウェーデン人風にメイクアップしていく動画がある。

ビッグイシュー日本版301号の「世界短信」でもお伝えした動画を、記事を一部引用しながら下記にご紹介。

動画の主役はスウェーデンのストリートペーパー「Faktum」の販売者である20歳のリリアナ。
ロマである彼女が“スウェーデン人ふう”になるため、ブロンドのかつらを被り、入念なメイクアップを施し、動画の最後にこう問いかける。「どのくらいスウェーデン人らしくなれば、Faktum誌を買ってくれますか?」

ロマ人は、同系集団であるシンティ人と共に「ジプシー」「ツィゴイナー」などの蔑称で呼ばれてきた自分の国をもたない民族で、ヨーロッパ各地に1200万人がいるとされている。 その多くが、根強い差別と貧困の下で生きているため、教育や就労の機会を得られずにいるケースが多い。

※2011年4月15日発売のビッグイシュー日本165号「世界短信」より。

日々増える「ロマの奴らのせいで、スウェーデン人のホームレスがお腹を空かせている」、「彼らは東ヨーロッパのごみ溜めから来た」、「なぜ、スウェーデン人を大事にしないのか?」といった販売者への批判。

それらを受けてFaktum誌の編集者サラ・ブリッツが「同じEU市民であるロマの人々が直面している差別や偏見について、多くの人に気づいてほしい」という思いでこの動画を制作したという。

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