「食べることは、人間の基本的人権」リアル・ジャンクフード・プロジェクト創設者アダム・スミス、食料廃棄と飢餓との闘いについて語る INSP報告その3

8月21日〜24日に、イギリス・マンチェスターで行われた国際ストリートペーパーネットワーク(INSP)主催の年次総会「グローバル・ストリートペーパー・サミット2017」。ビッグイシュー日本のスタッフも参加したこのINSPサミットの様子をレポートいたします。

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「グローバル・ストリートペーパー・サミット2017」の参加者らは、充実した1日のプログラムを終えると、いっぷう変わったディナー会場に集まった。それは、「ヴィクトリア・バス」という歴史的な建築物で、水泳プールと公共浴場を兼ねたレクリエーション施設。1906年のオープンから1993年に閉鎖されるまで、長い間マンチェスター市民に愛されていた。

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この珍しく美しい建物に、お腹を空かせた参加者らが詰めかけると、「リアル・ジャンクフード・プロジェクト」という、捨てられる食料を使って食料貧困と闘う非営利団体によって料理が用意されていた。

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コミュニティに根ざしたこの団体は、賞味期間が過ぎた廃棄用の食材を使っておいしい料理を作り、お金の持ち合わせがなくても誰でも食事ができるカフェを運営することで、社会的に孤立する人々をなくそうとしている。「リアル・ジャンクフード・カフェ」は、イギリス各地だけでなく海外にも広がっている。「ごみ箱ではなくお腹を満たす」というスローガンのもと、「気持ちに応じて支払う」システムを採用、無料でご飯を食べて帰ってもよいし、食事代の代わりにカフェでボランティアをすることもできる。
この日の料理は全てベジタリアンメニューで、ズッキーニの丸焼き、フレッシュサラダ、ベイクドポテトのチリビーンズ添え、カレー風味のカリフラワーなどの料理がテーブルに並んだ。
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参加者らが満腹になったところで、創設者のアダム・スミスが、これまでの道のり、プロジェクトを始めたきっかけ、食料の無駄をなくすための現在の活動について情熱的に語った。

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悩みやトラブルの多かった青年期や、オーストラリアで一流レストランの料理長として働いた時のこと、そして、農場で働いている時にまだ十分食べられる食料が家畜のエサになっているのを見て、「リアル・ジャンクフード・プロジェクト」のアイディアが浮かんだことなどを話し、参加者の心を捉えた。プロジェクトを立ち上げてからの4年間の体験について、熱心な質問が飛び交うなど、参加者の多くが関心を寄せた。
加えてスミスは、「貧困に対する最も重要なアプローチ」や、変化を起こし続ける上で教育がいかに大切か説明した。

食べることは、人間の基本的な権利です。私たちは人々に、捨てられるはずだった食料の価値と同時に、食事に集う人たち自身に大切な価値があることを伝えていかなければなりません。

私は過激な思想の持ち主のように言われることもありますが、違います。ただ人々に食事を提供し、彼らがそのお返しをできるチャンスを提供しているだけです。

今、廃棄食材を活用することに関して、大きなレッテルが貼られています。貧しく、恵まれない人々、ホームレスや弱者のイメージがつきまといます。

こうした偏見を打ち破るために、私たちは誰かを特定のグループに分類することを止めようとしています。一人ひとりが人格を持った人間なのです。

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その他にも、スミスは、スーパーマーケットが信じられないほど大量の食品を無駄にしていること、「Children in Need」というキャンペーンで、世界記録を達成するために1万個のカップケーキを集め、それを廃棄しようとしたBBCと口論したことなどについて話した。
INSPのスタッフは、スミスに「本当の意味で飢餓のない世界」という夢についても詳しくインタビューを行なった。
インタビューの全文は、『ビッグイシュー日本版』もしくはビッグイシュー・オンラインに後日掲載予定です。

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