現在Amazon.co.jpでは、2億種類を超える商品を取り扱っており、プライム会員であればクリックしてその日のうちに商品を届けてもらうこともできる。
そんな便利でスピーディな消費時代において、「気に入ったものを最後まで使いきると満足」という気持ちを大切にしている人々がいる。『ビッグイシュー日本版』301号(2016/12/15発売、現在SOLDOUT)の特集「修繕生活」から読みどころをピックアップ。


「糸へんに善と書いて、“繕い”」。ものの命が果てるまで使う、虫とシミのコラボ

大事に着ていたセーターが虫に食われて泣く泣く処分したり、高い費用を払ってリペアショップで目立たないように補修してもらったことはないだろうか。 デザイナーの勝屋まゆみさんは「繕い」に開眼し、これまで様々な「繕い」によって、虫食いやシミのあるものに「新たなデザイン」を生んできた。 IMG_2500

この記事を読むと、今までの虫食いセーターを処分したり、修繕依頼したりしなければよかった…!虫食いでもシミでもいくつでもどんと来い!と視点ががらりと変わる。
「限定品」に弱い人が多いのに、なぜ自分で修繕して「世界の一点モノ」としてカスタマイズしていく人が少ないのか、と不思議に思ってしまうほど、魅力的な作品とエピソードが綴られている。このページの罫線のデザインも、勝屋さんの作品のイメージに合っていて読んでいて胸が躍る気持ちがした。
勝屋まゆみ
デザイナー。武蔵野美術大学卒業(テキスタイルデザイン専攻)。テキスタイルデザイナーのヨーガン・レール氏に師事。「伊勢丹研究所」ファッションコーディネーターなどを経て、現在「how to live」を主宰。「気持ちの良い楽しい暮らし方の発見」をテーマに、帆布を主に使って日常生活の道具を提案。著書に「繕いノート」などがある。



「金継ぎ」で割れた器をよみがえらせる山中俊彦さん

お気に入りの食器が割れたり欠けたりすると、処分しなくてはとがっかりしていないだろうか。破損した器を、単なる“修理”ではなく、異なる魅力を加えて再び使えるようにしているのが山中さんの目指す『金継ぎ』だ。 誌面に紹介された山中さんの生徒さんの作品の写真を見ているだけで、その器を手に取ってみたい…、前に割ってしまったあのお茶碗もこんなふうにしてあげたかった…と思ってしまう。
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こんな素敵な作品、さぞかし専門的な材料や機材を使うのだろうと思いきや、以外にも身近なものでもできるといい、十数年にわたり指導してきた400人の生徒さんに、どのような『金継ぎ』を伝えているのかがわかる、ワクワクする記事だ。
そもそも工芸品専門だった山中さんが広く一般の人からの相談を受けるようになったきっかけも紹介されており、心に響くものがある。

山中 俊彦
1947年奈良県生まれ。工芸家。日本工芸会正会員。都市計画プランナーを経て、独学で㈭象嵌の手法を習得。工芸の道へ。漆や金箔の知識を生かし、本漆を使った金継ぎによる修理も手掛ける。現在、奈良や東京・渋谷などで講座を開催。
工芸日々 http://yattmmm.blog.eonet.jp/ 



その他、日本や世界の古い布や古着をリメイクしたり、日々の暮らしの中で繕いを楽しんだりする「温故知新堂」の主宰者、こにしみえこさんへのインタビュー&作品の写真。
ドイツで300を超える「リペアカフェ」をドイツ・ミュンヘンに訪ねる記事。
「英国中の電気ドリルが廃棄される前に使われた時間は平均わずか13分」であることに無駄を感じ、年会費を払って大工道具やガーデニング用具、自動車整備用具などの豊富な工具を借りることができるイギリスの「工具の図書館」のエピソードなど、年の終わりに「あるものに感謝し、新年に備える」時期にピッタリの特集となっています。
#日本のリペアカフェも2015年から始動

日本でも「リペアカフェ」のそよ風が吹き始めている。
「Repair Café Japan」は、東京の足立区と大阪の福島区に拠点がある。
各分野のリペア知識のあるボランティア、運営メンバーを募集しているとのこと。
興味のある人はぜひ問い合わせて、「リペア」仲間を増やしていただければと思います。
「Repair Café Japan」
https://www.facebook.com/repaircafe.japan/



そのほかにも301号では、
 ・(スペシャルインタビュー)ザ・ローリング・ストーンズ
・(リレーインタビュー。私の分岐点)向井理さん
・(特集)修繕生活
・(国際)難民受け入れ宣言から1年。いまドイツは?
・(ワンダフルライフ)服部文祥さん
など読みどころ満載です。現在大阪事務所に在庫はありませんが、販売者の手元には残っていることがありますのでお気軽にお声がけください。

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