2019年12月22日(日)、「ホームレスクリスマスパーティ」を開催しました。NPO法人ビッグイシュー基金が主催する、今年で11回目のイベントです。

 「ホームレスクリスマスパーティ」と聞くと、ホームレス状態の方々が路上で集うささやかなパーティのように思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしその実態は、大阪市中央公会堂でホームレス状態の人々、ビッグイシュー販売者、読者の皆さん、そしてスタッフ・ボランティアが交流するかなり本格的なパーティ。今年は総勢222人超と、これまでで最多の参加者数。日本最大規模のホームレス状態の方々との交流の場だと言えるでしょう。

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会場の様子

 18時半。開演の挨拶では、ビッグイシュー基金理事の稲葉剛が登壇。「今日の僕の一番のミッションは、料理研究家の枝元なほみさん(※)に託された、ミートローフを会場にお届けする“運び屋”の役目です」と言って、笑いを誘いました。

※NHK「みんなのきょうの料理」でもおなじみの料理研究家。ビッグイシュー基金理事。「ビッグイシュー日本版」で「ホームレス人生相談 × 枝元なほみの悩みに効く料理」を連載中。

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ビッグイシュー基金理事・稲葉剛

 毎年「ホームレスクリスマスパーティ」は、夜回りや炊き出しの場でお声掛けをして、ホームレス状態の方を無料でご招待しています。ホームレスではない方の参加費は4000円(学生1000円)。どのような方がどのような動機でいらっしゃるのでしょうか。

 音楽活動をされる方、大学教授、ビッグイシュー基金の「応援会員」(※)の方、飲食店経営者、社会福祉を学ぶ学生の方、NPO職員の方、外資系IT企業で働く方など、仕事や年代は様々。また、個人参加、友人と連れだって、家族連れでなど、参加のかたちも様々です。

2回目の参加という20代の会社員の女性は、「大学の授業でビッグイシューのことを知った」と言います。以降、街頭で雑誌を買い求めているうちに、販売者との交流の機会に興味を持ち、クリスマスパーティに参加するようになったのだそう。

また、同じく20代の大学院生の男性は、「友人に誘われて初めてパーティに参加しました。“ホームレス”と言っても、明るい方が多くて驚きました」と語り、ビッグイシューの活動を通して、「ホームレスの方々と時間を共にする」ということへのハードルが低くなっていることを感じさせます。

※ビッグイシュー基金を継続的に応援するための会員制度。 https://bigissue.or.jp/how_to_join/membership/

また、ビッグイシュー販売者の面々も、販売場所で見せる「仕事」の時の顔とは異なり、皆リラックスしてこの時間を楽しんでいる模様。

 各テーブルでは初対面も多い中、はじめは少し緊張気味だった皆さんの表情も、ともにお料理をつつき、杯を交わす中でほぐれていきます。

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料理とともに、木管カルテット「プティ・ブランシェ」のクリスマスソング演奏も堪能

ビッグイシュー販売者による「ホームレス講談」

 そして今回のパーティの目玉は、プロの講談師:四代目玉田玉秀斎さんと4人のビッグイシュー講談部(玉玉亭壱秀、玉玉亭播秀、玉玉亭勢秀、玉玉亭秀洛)による講談。

 四代目玉田玉秀斎さんは、講談を活かして社会貢献ができないかとビッグイシューとのコラボで「Watch KOUDAN, Do good」を企画し2019年1月から毎月1回のペースで「ビッグイシュー講談会」を開いてきた人物です。

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四代目玉田玉秀斎さん

参考:「ソーシャル」×「話芸」の異色のコラボで“知るきっかけ”に。上方講談師の奇才・四代目 玉田玉秀斎さんによる「ビッグイシュー講談会」第一回レポート

 その活動のなかで、四代目玉田玉秀斎さんの講談に感銘を受けた玉玉亭秀洛が販売者仲間を連れて、直談判したことで実現した講談部の結成。8月から月2~3回の稽古を重ねてきましたが、こんなに大勢の前で講談をお披露目するのは部員にとって初めてのことです。

 「俺たちにクリスマスは関係ない」と題して、それぞれのある冬の1日を張扇(はりおうぎ)片手に独特の節をつけて語ります。 

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玉玉亭壱秀

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玉玉亭播秀

心を込めて語る、それぞれの「お客さんとのふれあい」「雑誌がなかなか売れない時の心細さ」「“ホームレス”として生きる心境」に、皆耳をすませて、聴いています。

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玉玉亭勢秀  

四代目玉田玉秀斎さんは、「『皆さんがこれほどまで努力をされる方だとは!』と、練習の過程で何度も驚かされました。技術的にはまだまだな面もありますけど、それはこれから研鑽を積んでいくと思います」と、師匠の顔を覗かせておられました。

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玉玉亭秀洛

ダンボールハウス作り、街歩き、飾り切り…得意を活かした「ワークショップ」

 講談を楽しんだ後は、販売者やボランティアがそれぞれ得意を活かして講師を務める「ワークショップ」タイム。今年も登場の「ダンボールハウス作り」は、実際にダンボールハウスで寝てみたい人続出で大賑わいです。

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笑いの絶えないダンボールハウス作り

「歩こう会」(※)も今回は「中之島ナイトウォーキング」と題して、イルミネーションで華やぐ中之島の街を探訪しました。

(※)ビッグイシュー販売者の濱田さんが企画する「街歩き」イベント 

 また元板前のビッグイシュー販売者による、きゅうりとリンゴの美しい皮の剥き方=飾り切りの実演コーナーも。なめらかな包丁さばきに、参加者は思わず「すごい!」と見入っていました。

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華麗なる包丁さばき

※この販売者のインタビューを「ビッグイシュー日本版」368号の「今月の人」で紹介しています。


 その他にも、会場で販売されているレア物のバックナンバーを探したり、フットウェアメーカー「KEEN」より提供いただいた、チャリティ販売の冬靴を試着してみたり。参加者の皆さんは、思い思いに楽しんでいる様子でした。

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 楽しい時間はあっという間に過ぎ、終演の時間が訪れました。ビッグイシュー基金理事の佐野章二が登壇すると、スピーチの終盤に「子ども食堂」ならぬ、「大人食堂」の構想を語りました。

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「大人食堂」の構想を語る

開演時にも名前が挙がった、料理研究家の枝元なほみさんともお話ししているという夢膨らむ基金事業の構想に、会場からは拍手も。
「何かが始まる」ーーー。そんな前向きな予感を秘めた「ホームレスクリスマスパーティ」でした。  

 
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最後は、皆で記念写真!

参加者のTweetより  

 



写真:草田康博


【テレビ放映のお知らせ】

2019年12月25日(水)夕方 関西テレビ「報道ランナー」で講談師・玉田玉秀斎さんによる「ビッグイシュー講談」や講談部の活動について紹介されます。
「第11回大阪ホームレスクリスマスパーティ」での講談の様子や、ビッグイシューの販売者らによって結成された講談部の活動についても紹介される予定です。

【予定日時】2019年12月25日(水)18時14分~19時の間
【番組】「報道ランナー」(平日16時45分~19時放送の「夕方のニュース番組」内、10分程度です)

※放送地域は、関西(近畿2府4県、徳島の一部)のみです
※災害や大事件が発生した際は、放送が延期になる場合があります


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年に一度の「大阪ホームレスクリスマスパーティ」だけでなく、ビッグイシュー基金ではホームレス状態の方や販売者と交流する機会としてフットサルや街歩きといったイベントを開催しています。また、ビッグイシュー日本でも様々なイベントを実施しています。
各ホームページの「イベント」でご案内するほか、Twitter、Facebook、メルマガでもご案内していますのでよろしければご登録ください。

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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。