1月にハンブルクで11歳の女の子シャンタールちゃんが亡くなった事件が社会に衝撃を与えている。
シャンタールちゃんは実の両親が薬物依存症だったことから08年、市の青少年局の判断で里親に預けられたが、この里親の夫婦2人もまた薬物依存症で、メタドンを用いた薬物依存症治療プログラムを受けていた。
しかし市青少年局はこのことを把握しておらず、シャンタールちゃんは家の中にあった致死量のメタドンを、水と間違えて飲んでしまい死亡したと見られている。
シャンタールちゃんが亡くなる前に、実の父親に対して助けを求める手紙を書いていたことも明らかになり、里親選定にあたっての市の審査やアフターケアがずさんだったことが問題視されている。
一方、実の親がいながら、養育環境に問題があることなどから里親に預けられる子どもの数は年々増えており、青少年局の後見人役1人が担当する子どもの数は通常120人以上にのぼるとされている。
(見市知/参照:Welt)
(2012年4月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第188号より)