2024年5月15日発売のビッグイシュー日本版479号の紹介です。
表紙は「井浦新」、特集は「『認知症』を更新する」です。
リレーインタビュー 私の分岐点:髙田春奈さん
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)チェア(理事長)である髙田春奈さん。一昨年、チェアに就任したことが、人生にとって大きな分岐点だったと言います。長崎で生まれ育ち、幼い頃から平和な世の中を作りたい、社会に貢献したいという思いを強く持っていた髙田さんを、女子サッカーを通じた社会貢献へと導いた出来事とは?
スペシャルインタビュー:井浦新
今や日本の映画・ドラマ界では欠かせない存在となった井浦新さん。6月7日公開の映画『東京カウボーイ』で米国映画デビューを果たした彼が、自らの俳優人生と本作のテーマでもある人生の豊かさ、そして社会とのかかわりについて語ります。
特集:「認知症」を更新する
身近に「認知症」のある方はおられますか? 認知症の人に見える不思議な世界を知りたいと思いませんか? 当事者である丹野智文(たんのともふみ)さんは、認知症当事者のための総合相談窓口「おれんじドア」を開き、多くの当事者から相談を受けてきました。丹野さんは「認知症と診断された時から当事者の暮らしは、それ以前とはまるっきり変わってしまう。それは認知症になったら“何もわからなくなる”などの間違った情報や、重度の症状だけが伝わっているからだ」と言います。
そこで、筧裕介(かけいゆうすけ)さん(issue+design代表)は、100人以上の認知症のある人にインタビューをして、当事者の世界を具体的にイメージできる“14の世界”のストーリーを描きます。筧さんは「認知症の方が抱えている問題の大半は、人との関係や周囲の環境との関係の中で起きています」と話します。
超高齢化が進む今、誰でも認知症になる可能性があります。丹野さん、筧さんに、当事者、家族、支援者、そして私たちと社会ができる工夫や備えについて聞きました。
国際:『ターニング・ポイント:核兵器と冷戦』
今年に入って原爆をテーマにした映画が話題ですが、注目したいのは3月13日に全世界同時公開された、インターネットの会員制動画配信サービス「Netflix」のドキュメンタリー映画『ターニング・ポイント:核兵器と冷戦』(ブライアン・ナッペンバーガ監督/全9回・約10時間)です。米国人スタッフらとともに、映画制作に携わった共同プロデューサーの大矢英代(はなよ)さん(ジャーナリスト、ドキュメンタリー制作者、カリフォルニア州立大学フレズノ校助教授)と、古賀野々華(ののか)さん(早稲田大学学生)に話を聞きました。
表現する人:鈴木康広さん。一瞬の世界、身近なものを作品に
日常の見慣れたものを独自の視点で捉え直し、作品を制作する鈴木康広さん。巨大なファスナーの形をした船をつくり、その水しぶきがまるで海をファスナーが開いているように見える「ファスナーの船」や、巨大な人型をした「空気の人」など、作品を観た人が「笑える」かどうかを意識して制作していると語ります。