ビッグイシュー・オンライン編集部より:本誌連動企画として、「中央ろうきん若者応援ファンド」の特集記事をお届けします。

[この記事は「中央ろうきん若者応援ファンド」の提供でお送りしています]

1年間ひきこもっていた20代後半の女性は2年間のボランティアののち、企業に就職

ちばMDエコネット写真①
お話をしてくださった事務局長の山本佳美さん

知的障害者の働く「コミュニティカフェ」に、多くのひきこもりや不登校経験のある若者がボランティアとして訪れる。そんな若者の就労支援を始めた「ちばMDエコネット」を訪問した。

ちばMDエコネットは、障害児も地域の普通学級で教育を受けられることを求める活動をしてきたメンバーが1997年に設立した団体。事務局長の山本佳美さんは話す。「地域の清掃や遊休地の活用をしながら、ネットワークをつくり、障害者が地域の一員として生きられる社会を目指し活動してきました。2002年に、高校を卒業した知的障害のあるメンバーが働く場として『コミュニティカフェひなたぼっこ』をオープンしました」。カフェでは旬の素材を活かしたランチやスイーツを提供。また、高齢者施設や公園の清掃、フリーペーパーのチラシの折り込みや配布、間伐材のピンバッジづくりなどの軽作業も請け負っている。

ちばMDエコネット写真②外観
晴れた日にはテラスでバザー品を販売。

ちばMDエコネット写真③ドリア
キャロットライスの小松菜ドリア。店長が季節の野菜を活かしてメニューを作っています。

ちばMDエコネット写真④オムライス
オムライス。ほうれん草とアンチョビを混ぜたライスにふわふわ卵。

それぞれの活動に市民がボランティア参加。シニア世代や子育てを終えた主婦が中心だが、5年ほど前から、ひきこもりや不登校経験のある若者のボランティア希望が増えてきた。13年に「ふなばし地域若者サポートステーション」が近くにでき、さらに多くの20代、30代がボランティアとして訪れるようになった。サポステの就労プログラムと連携して、若者がリハビリを兼ねてやってくるのだ。コミュニケーションが難しく発達障害などを疑われる人もいる。就職につまずき1年間ひきこもっていた20代後半の女性は、「初めは人と話せませんでした。週1回2時間のボランティアから始め、障害のある利用者とゆっくり働くうちに接客ができるようになった」と言う。2年間のボランティアののち、障害者雇用枠で企業に就職が決まった。

障害のある利用者とペアで仕事。生活不安なくすことで就労意欲がわく

ちばMDエコネットでは、これらの若者を受け入れるため、中央ろうきんの助成金を活用。「ひきこもりや不登校経験者、中途障害の若者を就労につなげるプログラムづくり」に取り組み始めた。「社会経験が少ない若者には、ここで基本的な接客の研修を受けながら、知的障害のある利用者とペアでカフェや清掃、軽作業のボランティアを経験し、自分の得手不得手に気づいてもらう。そこから、ユニバーサル就労(※)の実習を受け入れている団体と連携して、仕事に結びつける」ため、「支援するスタッフの研修やユニバーサル就労に取り組む団体や企業へのヒアリング」も進めている。

ちばMDエコネット写真⑤
知的障害のある利用者チームと店長、山本さん

今後はさまざまな困難を抱える若者の就労を支えるために、「高次脳機能障害や発達障害などの障害や特性を知って支援できるボランティア」の養成に向けた勉強会も予定している。

「いろんな人が参加しているのがいい。同世代の若者に触発されて、障害者の仕事に対する意識も高まった」と山本さん。「外に目が向くようになり、企業の障害者雇用枠で就職した人もいる」という。「ここで活動する誰もが少しでもチャンスがあれば就労してほしい。このカフェは『いつ戻ってきてもいい場所』でありたい。一人で暮らす障害者には食や住まいなど、生活の不安をなくすことで就労意欲がわいてくる人がいます。若者も同じです。一緒に問題を解決してくれるパートナーを地域のなかに増やしていきたい」

NPO法人法人ちばMDエコネット

障害のある人もない人も共に生きる社会を目指して「コミュニティカフェひなたぼっこ」を福祉作業所として運営、障害のある子どもをサポートする「ノーマライゼーション学校支援事業」などを行っている。
TEL 047-426-8825
メール sun@mdeconet.jp

★一緒に活動をしてくださるボランティアを随時募集しています。
http://mdeconet.jp/modules/cafe/index.php?content_id=10

コミュニティカフェひなたぼっこ( 営業時間 10時~18時(水曜、日曜定休)千葉県船橋市本町4-31-23 TEL 047-426-8825

◆Facebookで活動の様子を日々更新しています。
https://www.facebook.com/cafe.hinatabokko

◆カフェの運営を支えてくださるサポーター募集しています!
http://mdeconet.jp/modules/cafe/index.php?content_id=5

◆貸切パーティのご利用等も承っております。ご活用ください。
http://mdeconet.jp/modules/cafe/index.php?content_id=33

ベリー農園
無農薬のブルーベリーやブラックベリー、ラズベリー等を育て、ジャムなど製造販売しています。
http://mdeconet.jp/modules/farm/index.php?content_id=1





ビッグイシューをいいね!で応援!



最新情報をお届けします

無料メルマガ登録で「ビッグイシュー日本版」創刊号PDFをプレゼント!



過去記事を検索して読む


ビッグイシューについて

top_main

ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。