ドイツとベラルーシの市民団体 連携もとめ福島を訪問

ドイツとベラルーシの市民団体 連携もとめ福島を訪問

 原発や核のない平和な世界の実現に取り組むドイツとベラルーシの市民団体の代表や若者が、4月17日、福島県庁を訪れ、メッセージや折り鶴を成田良洋知事公室長・秘書課長に手渡した。

 訪れたのは、南ドイツのロットバイル市から、「核の脅威のない世界のための市民団体」のアンゲラ・ゲスラーさん、ベラルーシ・ミンスク在住でチェルノブイリ原発事故後に強制避難となった村出身のマリア・ブラトコフスカヤさんら。

 ゲスラーさんは「チェルノブイリ原発事故の被災者の支援を行っているが、11年前から若者を対象にした会議を開催し、ドイツとベラルーシの若者交流を図っている。核や原発問題のない社会をつくるため、福島のみなさんと連携していきたい」と語った。また、「毎年3月11日には折り鶴を折って、福島のみなさんが自分たちの力でこの状況から抜け出せるように祈っている」などと書かれたロットバイル市長からの親書を読み上げ、成田知事公室長に手渡した。

 ドイツから訪れた若者の一人、ソニア・メールさんは「原発事故後、福島のみなさんが不安な状況で暮らしていることを考え、何ともいえない気持ちになった」と話し、こう続けた。「政治や行政が被害者のためにできることをすべて行っているとは思えないところもあり、住民の人から投げやりであきらめた言葉が出たのも理解できる気がした。子どもたちのためにぜひ一緒に取り組んでいきましょう」。訪問はFoE Japanの協力。

 この日の会合は、2010年8月から毎月、原発事故や避難、健康問題、除染などに関して、福島県への要望と意見交換を続けている福島市民のグループによる「沈黙のアピール(※)」の席上で行われた。代表の佐々木慶子さんらは、除染後のがれきの焼却処分や、住民の意思に沿わない無理な帰還促進策の問題などについて、県側の見解をただした。

 (文と写真 藍原寛子)

※ WAWAWAの会(佐々木慶子よびかけ人代表)が「沈黙のアピール」を提唱し、2010年8月4日、福島県庁の玄関前に横断幕を広げ「福島原発に危険なプルサーマル燃料を入れないで!」と仲間と訴えたことが始まり。現在、毎月6日を行動日としている。

(2014年5月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 239号より)
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