「路上で雑誌を売ってる暇があれば働けばいいのに」と言われることもあるビッグイシュー販売者。ホームレスの人々は、やる気の有無にかかわらず、住所がないゆえに仕事に就けないという事情はあまり知られていない。
そして、ホームレスの人でもできる仕事はビッグイシュー販売や空き缶収集などなど、非常に限られているのが現状だ。

しかし、その常識に風穴を開け、「その手があったか!」と思わせるプロジェクトが登場した。
 

 ※この記事は2018年12月1日発売の『ビッグイシュー日本版』348号の国際記事の一部抜粋となります。

ドイツのストリートペーパー「fifty fifty」が広告代理店とともに企画

そのプロジェクトの概要はこうだ。ドイツのストリートペーパー「fifty fifty」が、その雑誌販売者11人をモデルにさまざまな職業のイメージ写真を撮影、世界最大級の写真素材サイト「ゲッティ・イメージズ(Getty Images)」で販売するのだ。この収益は全額ホームレスの住宅支援に寄付される。

ブログをはじめ、様々な媒体を制作する際「こういう写真素材が欲しいけれど、わざわざ撮影する予算や時間がない」というシーンは多い。そういうニーズにこたえて、写真素材サイトやその利用者はかつてよりぐんと増加しているため、ニーズに合った写真が用意できれば売り上げも期待できるだろう。そのあたりは広告代理店であればお手のものだ。

たとえば下記はファッションデザイナーに扮したカールという販売者。

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これを見て、誰がホームレスだと思うだろうか?

同じく、ホールスタッフに扮したジェニファー。

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彼らの写真を見て、「ホームレスだ」と感じる人はいまい。しかし、彼らは「職業人のコスプレ」をしただけであり、彼らの人格・中身は変わったわけではない。だが路上にいるだけで不可視化されたり不当な仕打ちを受けたりすることがある。何がいったい、そうさせるのか?を人々に訴えかけるこのプロジェクト。仕掛人や関係者にまつわる詳しい話は『ビッグイシュー日本版』348号にて。
広告代理店や、メディアにかかわる人にぜひ読んでいただきたい記事だ。

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そこで、様々なボランティアの方の力を借りている、という記事。

「ていうか人に頼る前に働けば?」という方へのオススメはこちら(中ほどの「カフカの階段」のところに解説があります。
子どもの貧困問題について本気で考える会:ビッグイシュー×Teach for Japan イベントレポ

ファッションモデル、俳優、写真家そしてホームレス。対極に見える2つの世界が実は背中合わせであることを体現するマーク・リーイ


『ビッグイシュー日本版』348号ではそのほかにも、

・スペシャルインタビュー:ブラッドリー・クーパー& レディー・ガガ
・リレーインタビュー。私の分岐点:フリーライター武田 砂鉄さん
・特集:間違いだらけの貧困イメージ
・国際:アルゼンチンの“百姓一揆”
・ホームレス人生相談 × 枝元なほみの悩みに効く料理:「大人でも動物園や遊園地に行きたい」
など、盛りだくさんです。ぜひ、路上にてお買い求めください。

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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。