あっという間に2017年も残すところ2週間。
忙しい時間もひと時忘れて静かに過ごせるよう、あなたの日々の背景を彩る文学、音楽、映画としてビッグイシュー325号では、「今年の映画、本、音楽」をご紹介する。<
本は「気まぐれ古書店紀行」や「女子の古本屋」、「読書の腕前」「古本道入門」などの著書がある書評家の岡崎武志さん、映画は『ビッグイシュー日本版』279号に登場の札幌の市民出資型映画館「シアターキノ」の代表中島洋さん、音楽はFM802のラジオDJの浅井博章さんに選んでもらった。
この記事では札幌の「シアターキノ」の代表、中島さんについてご紹介する。
地域にないものは自分たちで創る、生み出す。
市民出資で映画館を運営し続けている札幌の「シアターキノ」代表の選ぶ「今年の映画」とは
「シアターキノ」は札幌市・狸小路商店街にある市民出資型の映画館だ。

札幌にあるミニシアターが相次いで閉館したことを受けて、中島洋さんとパートナーのひろみさんが1992年に市民に呼びかけて資金を集め、スタートした。
よく「ミニシアターは儲からない」と言われるが、シアターキノは数人のスタッフと数十人の市民ボランティアで運営されている。
ボランティアの特典は、映画好きにはたまらない「映画見放題」。設立当初こそ赤字だったが、3年で黒字化、年間上映約180本、札幌市民の目と心の窓となった。

シアターキノの壁を見渡すと、世界中から訪れた、たくさんの映画人たちがサインを書き残している。

そんな魅力あふれる映画館を25年間運営してきた中島さんが選ぶ「今年の映画」は、『ビッグイシュー日本版』325号をご覧いただきたい。この記事では中島さんが選んだ14本の映画の中から、過去に『ビッグイシュー日本版』で扱ったもの3本のみピックアップしてご紹介する。
「わたしはダニエル・ブレイク」
THE BIG ISSUE JAPAN307号
『わたしは、ダニエル・ブレイク』撮影現場でのケン・ローチ監督のインタビューを掲載。
https://www.bigissue.jp/backnumber/307/
「ムーンライト」
THE BIG ISSUE JAPAN309号
「ムーンライト」でドラッグ依存症役を演じたナオミ・ハリスのスペシャルインタビューを掲載。
https://www.bigissue.jp/backnumber/309/
「パターソン」
THE BIG ISSUE JAPAN317号
映画『パターソン』主演のアダム・ドライバーにジム・ジャームッシュ監督との初仕事についてインタビュー。
https://www.bigissue.jp/backnumber/317/
――
「多様性」と「可能性」をテーマにした映画に惹かれるという中島さん。
ビッグイシューの事業理念にも賛同してくださっており、札幌のボランティア組織「ビッグイシューさっぽろ」の協力を得て映画館内の売店で「ビッグイシュー日本版」を取り扱ってくれている。

※)映画館でのビッグイシュー販売について
https://www.bigissue.jp/sell/in_your_shop/in_your_theater/
中島さんの選ぶその他11本の「今年の映画」や岡崎武志さんの「今年の本」、浅井博章さんの「今年の音楽」は325号でご確認いただきたい。
ビッグイシュー・オンラインの「市民の映画館」関連記事
・地方の映画館が生き残るには?-地域コミュニティにおける文化継承と事業承継(「豊岡劇場」を紹介)
シアターキノ関連記事
「自分たち」で販売者をサポートしてきた「ビッグイシューさっぽろ」。10年の区切りが<これから>につながる-10周年記念パーティイベントレポ