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地域ジャーナリズムはヘイト・偽情報・分断に対抗する有効な手段
「地域ジャーナリズムの未来が危うい」ー 英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)の最新報告書が警告を発している*1。全国メディアに対する世間の信頼度が低下し、ネット上では差別やヘイト、分断を煽る発言が増え続 […] -
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巨大企業が隠蔽するPFAS汚染を暴いた映画『ダークウォーターズ』。モデルとなった弁護士ロバート・ビロットに聞く
環境汚染と深刻な病との因果関係を暴露し、巨大化学企業デュポン社に数億ドルの賠償金を支払わせた弁護士ロバート・ビロット。巨大企業との闘いは、映画『ダークウォーターズ―巨大企業が恐れた男』にもなった*1。昨今、沖縄や東京・多 […] -
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ニュージーランドの元首相、ジャシンダ・アーダーンのレガシー「優しさの政治」
英バース大学のジェンダー政治学の授業で、「現代社会で人の心を動かす政治指導者は誰か」と学生たちに尋ねると、必ずジャシンダ・アーダーンの名が挙がる。歴代のニュージーランド首相たちはどうかと尋ねると、学生たちは沈黙する。従来 […] -
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信仰心があるからこそ、不正を糾弾するーカトリック信者による「マリア2.0」運動
2019年、ドイツのミュンスターで、カトリック教信者の女性たちが草の根運動「マリア 2.0」を立ち上げた。長い歴史を持つカトリック教会が起こしてきた数々の不祥事や問題に、もうこれ以上耐えられないと、ミサをボイコットするな […] -
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暴力を“病”と捉える警察のアプローチ。スコットランド、犯罪減少を導く“希望と機会”
かつて暴力犯罪率の高さで悪名高かったスコットランド・グラスゴー。しかし15 年前に、警察が「暴力」に対する見方を変え、貧困の改善をすすめて社会福祉との連携を始めると、事件数は減少。画期的な事業のモットーは「人生の厳しいカ […] -
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障害者のできることを増やすまちづくり―米オハイオ州の「アビリティセンター」所長に聞く
米オハイオ州トレドにある「アビリティ・センター」は、“米国一の障害者に優しい街”を目指し、障害者一人ひとりの真の情熱を大切にした自立支援、そしてコミュニティの障害者の受け止め方を変えていく活動を展開している。2021年末 […] -
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ボランティアは本当に尊いのかー国の怠慢を招く?支援を受ける側の固定化?ドイツの社会政治学教授が指摘する問題
日本の「子ども食堂」の数は少なく見積もっても7千を超え、子ども食堂に関わるボランティアの数も増え続けている。そんな“子ども食堂文化の浸透”を喜ぶ政治家もいるが、「子ども食堂が必要な状況(=子どもの貧困)をなくすのが本来の […] -
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甲状腺がんになった子ども全員に被害救済を──原告のちひろさん(仮名)に聞く
前号では「311子ども甲状腺がん裁判」の井戸謙一弁護士に裁判の争点などを聞いた。 今号では、原告の一人、ちひろさん(仮名、中通り、20代女性)の話を紹介する。ちひろさんは原発事故が起きた2011年3月、中学3年生だった。 […] -
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高齢者の貧困が激増。腰の重い国に代わり、市議会はどこまでできるか
日本で年金生活に余裕があったのは昔のことで、今ではかなりの高齢になってもアルバイトをしないと生きていけない人が増えている。年金が足りないのは日本だけではなく、ドイツも同様だ。ドイツのストリートペーパー、『ヒンツ&クンツ』 […] -
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富裕層への増税を訴える大富豪マリーナ・エンゲルホルンにインタビュー
さまざまな物・サービスの値上げが相次ぎ、人々の暮らしを直撃しているなか、日本政府は減税どころか消費税増税を検討しているという。庶民ほど苦しい状況が続いているが、海外では桁違いの大富豪みずからが「富裕層への公正な課税」を声 […] -
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ポーランドのウクライナ難民支援は市井の人々の自腹で成り立っている?
ロシアによるウクライナ侵攻により、約200万人のウクライナ難民が押し寄せたポーランド。戦争開始から半年が経った2022年夏、支援現場を視察した米国のネブラスカ大学リンカーン校の政治学教授パトリス・マクマホン(専門は人道主 […] -
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徴兵から逃れ出国したウクライナ人男性「仕事もない、家もない。でも帰れない」
戦時下のウクライナでは、戦闘要員の対象年齢となる18〜60歳の男性は、原則として出国が認められていない。しかし今回、徴兵を逃れ、ドイツに滞在中の男性アルテム(仮名、33歳)に『ヒンツ&クンスト』誌(ドイツ・ハンブルク)が […] -
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ウクライナ人家族の受け入れ体験談――年頃の子どもたちの反応は
イヴァンとアドリアン、2人の少年はウクライナでの戦争がきっかけで出会った。ウクライナ難民であるイヴァンの家族は今、ドイツのプフォルツハイム近郊に暮らすアドリアンの家族と一緒に暮らしている。アドリアンの母ゴシアが、ウクライ […] -
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カナダ先住民寄宿学校で大量の遺骨発見は、貧困やホームレス問題と地続き
カナダの先住民ファースト・ネーションにまつわる悲劇が、またひとつ明らかになった*1。バンクーバーのストリートペーパー『メガフォン』のコラムにて、編集長ジュリー・アオキが綴った思いを紹介したい。*1 参照:無名の墓751基 […] -
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SDGs(国連の持続可能な開発目標)による政治的影響は限定的:3千以上の学術調査を分析
メディアや企業、学校など、あらゆるところで「SDGs」が取り上げられる機会が増えているが、実際に「SDGs」で定められた目標は達成に近づいているのだろうか。以下、ユトレヒト大学でグローバル・サステナビリティを研究するフラ […] -
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知的障害者の参政権―オーストラリアで法改正の動き
日本国憲法では、障害の有無にかかわらず 、すべての日本国民に等しく参政権が保障されている。2013年の公職選挙法改正時からは、重度の知的障害のある人も投票できるようになった。自分で書くことが難しい人は、候補者 […] -
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生活困窮者の髪を無料でカット。美容師プロボノ集団「バーバー・エンゼルス」
貧乏でも孤独でも、髪は伸びる。そして、ボサボサになってしまった髪のせいで、さらに人と接する機会が失われてしまうことは、ホームレスの人々によくある話だ。そんな散髪代を工面できない人たちのために、無料で散髪サービスを提供する […] -
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選挙で投票する人 vs 棄権する人を分けるものは?
日本での国政選挙の投票率は年々じりじりと下降傾向にある*1 のはご承知の通りだが、世界的にも一部を除いて低下傾向にあるようだ。選挙で投票するか棄権するかの判断にはいくつもの要因が影響し、人によっても事情は異なる。なぜ選挙 […] -
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「富豪に増税を!」と各国政府に訴える富豪たち。#Taxmenow の格差是正ムーブメント
「われわれ金持ちに、早急に課税を!」と大富豪たち自身が声を上げ、各国政府にプレッシャーをかける動きがいくつも起きている。そのひとつ、2021年初めにドイツ語圏の国々で立ち上がった「タックスミーナウ」(#Tax […] -
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障害者の性体験をサポートする仕事「セクシャル・コンパニオン」
マーティン(仮名)は、ジェシカと過ごす時間にお金を払う。ジェシカは、障害者の性体験をサポートする「セクシャル・コンパニオン」で10年以上のキャリアを持つ。今日も二人は裸で横たわり、見つめ合い、相手の体温を感じ、肌に触れ合 […] -
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動物園・水族館にも「アニマルウェルフェア」の尺度を
従来の動物園といえば、世界のいろんな場所から連れて来られた動物たちが、鉄格子をはめたコンクリートの檻に入れられ、刑務所を思わせるものがあった。健康状態は悪くはないのだろうが、多くはじっと宙を見つめ、小さな檻の […] -
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精子提供をめぐる訴訟事件が増加、求められる規制:米国の現状
SNSで知り合った男性を「有名大卒の日本人」と信じて精子提供を受けた女性が、男性が学歴や国籍を偽ったとして訴訟を起こしたニュースは記憶に新しい。精子提供は非常にデリケートな問題であるため、とりわけ“優秀”と謳 […] -
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障害者の装いを豊かにする「アダプティブウェア」のアプローチ5選
片手で服を着たり、座ったままジーンズを履いたりしたことはあるだろうか。足のサイズが左右で違う人や片足しかない人が、どうやって靴を買っているかご存知だろうか。布の種類によっては触れることすら耐えられない自閉症の […] -
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家を失った先住民を支援する「ラウンドハウス・プログラム」をカナダのストリート誌が運営
カナダのストリートペーパー『リティネレール』(ケベック州モントリオール市で発行)では、薬物依存症や貧困、家を失うなどして苦しむ先住民の人たち向けに、ワークショップや研修、カフェでの就労トレーニングなどを通して […] -
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ファッションによる挑発行為、歴史的な事例5つ
2021年9月、ニューヨークで開催されたファッションの祭典「メットガラ2021*1」に、民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員が、“Tax the Rich(富裕層に課税せよ)”と大きく書かれたドレス姿で出席し […] -
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女性政治家が少ない理由ー子ども時代に形成される「政治家」のイメージに起因?
米国では、女性の政治への関心は男性より低く、政治家に立候補する割合も少ない。女性は人口の50.8%を占めるにもかかわらず、連邦議員に占める割合は26.7%、州議員の31%にとどまっている。テュレーン大学准教授ミリヤ・ホル […] -
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4人に1人が難民の子どもという小学校。子どもたちの様子について離島の教師にインタビュー(ギリシャ)
ギリシャ本土からかなり離れたところに浮かぶティロス島。人口800人の静けさ漂うこの小さな島は、観光マップでは目立たない存在だ。ギリシャに到着した難民の多くが難民キャンプでの生活を余儀されるなか、ティロス島では難民に住まい […] -
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「出所者の行く末はホームレス状態か再犯かしかない」そんな現実を変えていく、元受刑者による支援活動
刑期を終えて出所する人たちの中には、帰る家も着る服もなく、車での迎えを頼める人もなく、薬物依存が残っていようとも適切な治療を受けられない人も多い。その結果、ホームレス状態や薬物の過剰摂取に陥り、再犯リスクを高 […] -
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“民主主義”のない選挙制度で、強行採決がまかり通る-民意を反映できる「完全比例代表制」への転換を。
有権者による投票の50%前後が死票となる、日本の「小選挙区」選挙。そこから生まれる与党は“人工的に作られた多数派”であり、「民意の正確な反映を歪めてしまう」と話す憲法学者の上脇博之さん(神戸学院大学教授)に話を聞いた。 -
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国民のデジタルID管理は弱者を排除する? ロンドン大研究員からの警鐘
日本の「マイナンバー」の取得率は36.0%(総務省調査、2021年8月現在)。政府や自治体は取得率を何とか上げようと躍起になっているが、果たして、デジタルIDの導入により、貧しい人や弱い立場に置かれた人々の暮 […]
