認定NPO法人ビッグイシュー基金大阪事務所では毎年、雑誌『ビッグイシュー日本版』の販売者を中心に「大阪ホームレスクリスマスパーティ実行委員会」を立ち上げ、クリスマスパーティを企画・運営しています。
この「ホームレスクリスマスパーティ」は、夜回りや炊き出しの場でお声掛けをして、ホームレス状態の方を無料でご招待し、ホームレスではない方の参加費は4000円(学生・ボランティアは1000円)で参加するイベントです。
第16回となる今回は、「まざって、踊って、つながる冬の一夜」と題し、大阪市中央公会堂で開催。ホームレス当事者、ビッグイシュー販売者・卒業者、ビッグイシュースタッフ・ボランティア、一般の参加者さんたち計160人が国の重要文化財でもある壮麗な会場に集まり、舞台企画やワークショップ、食事や交流を楽しみました。

普段は接点のない人と「混ざりあう」体験
今年のトップバッターは「大阪すみよし少年少女合唱団」の子どもたち。ほとんどの参加者は普段子どもたちの歌声を聴く機会は多くないため、懐かしんだり慈しんだりするような様子で息の合ったクリスマスソングに耳を傾けていました。

また今年は、東京の路上生活経験者を中心に結成された身体表現によるダンスチーム「新人Hソケリッサ!」(以下、「ソケリッサ」)がゲストとして登場。メンバーである平川収一郎さん、浜岡哲平さん、伊藤春夫さん、山下幸治さんの4人が一人ずつ、自分の選んだ歌に合わせたオリジナルの「身体表現」を披露しました。
それぞれの曲の解釈・身体表現に、「これはいったい、何…?」と戸惑う様子の参加者や、興奮したようすで嬉しそうに見つめる参加者など、一同、“ソケリッサワールド”に引き込まれている様子でした。

4人のパフォーマンスが終わった後は、「ソケリッサ」主宰者のアオキさんのナビゲートのもと、飛び入り参加型でのダンスワークショップ。
ランダムに二人一組になって向い合わせになり、①相手の動きをそのまま模倣、②少し変えて模倣、③異なる動きをする、のいずれかを組み合わせて体を動かします。見知らぬ人と言葉に頼らず身体表現によるコミュニケーションを楽しみ、しばらくしてペアを入れ替えるという即興。幼稚園児の参加者は、不思議な体の動かし方をする大人たちの様子を不思議そうに見つめていました。


パフォーマンスの後は、販売者やボランティアがそれぞれ得意を活かして講師を務める「ワークショップ」を、参加者それぞれの興味に分かれて楽しみました。
「段ボールハウスづくり体験」:販売者の志村さんが講師を務める、毎年子どもに大人気のワークショップ。参加した小学生の一人からは、「防災にも役に立つと思うから、学校にも教えに来てほしい」という声も聞かれました。

茶道体験:ビッグイシュー販売者有志からなる茶道部メンバーは毎週稽古を重ね、お茶の点て方や作法を勉強中です。当日は、販売者の吉富さんが茶を点て、参加者に提供していました。

ビーズアクセサリー制作体験:販売者でビッグイシュー手芸部の高口さんが選んだビーズでアクセサリーを制作するワークショップ。好みのビーズを選んで手を動かしながらおしゃべりも。

「売らない珈琲屋さん」:若者たちが生豆の選別や焙煎を行い、ハンドドリップで提供コーヒーの提供を通じてさまざまな人と関わりを持つ実践型の支援プログラム。supported by 認定NPO法人育て上げネット

かな習字レクチャー:かな習字の師範である販売者の松井さんが担当。それぞれが書に向き合う時間を楽しみました。
言葉による振り付け体験:「ソケリッサ」のアオキ裕キさんによる、「言葉による振り付け」。「あおく波うつ背骨」「夢隠し」「赤まみれ」「金色くねくね」など、聞きなれない言葉から連想するそれぞれのイメージと、その人ならではの身体の使い方を表現。

はり灸・マッサージ体験:定期的に当事者の身体のメンテナンスを行っているプロボノの鍼灸師による整体体験。会場の一角に、1年の疲れを癒したい参加者が行列を作っていました。

本の福袋:2025年6月に千林大宮にオープンしたシェア本屋「希望をつむぐ本屋さん」の棚主さんたちによる本の福袋の販売。一つひとつの袋に、本をイメージさせるキーワードやメッセージが添えられて、選ぶのを楽しんでいました。

お子さん、少年少女、ホームレス当事者・経験者、スタッフ・ボランティア、アーティストが同じ空間に滞在、混じりながらもそれぞれの感じ方で、自分が選んだ時間の過ごし方を楽しむひとときとなり「来年も参加したい」という方がたくさんいらっしゃいました。

